“地獄”への階段はそこにあった

大学卒業直後、とある全国チェーンの中古販売職に就職しました。

そこは、いわゆる『ブラック企業』でした。

当時は『ブラック企業』という言葉は無かったです。(18年程前)会社の労務担当に相談するなんて考えもありませんでした。

入社前にネットなどその会社の噂を調べると、

『残業が多すぎる!』、『休みが無い』など労務環境に関わる悪評がほとんどでした。

入社してみると、それは本当で朝9時~夜は12時まで働き詰め。社内規定は『八時間勤務』なのですが、そんなものは当然無視。

休みは、月に1日あれば良い方で、『3ヶ月休み無し』という社員もザラにいました。

なんで、そんな傍若無人な労務環境が罷り通っていたのか?

それは『店舗を任せているのだから、仕方無い』という考え方が蔓延していたからです。

いわゆる『名ばかり管理職』(この言葉も当時は無かったなあ…)でした。

会社の基本的なスタンスは『利益最優先』『お客様第一』でした。

その為には社員はいくら””消耗””されても””仕方無い””という感じでした。

その思想は、入社時の『説明会』にも現れていました。

『風通しの良い会社』

『多方面から貴方を評価』

『想像に歯止めを掛けない』

…など、歯の浮くような事を言っていました。

だが、それは大きな勘違いでした。

『風通しの良い会社』

上から下への一方通行の風。

『多方面から貴方を評価』

いろんな理由を付けて減給

『想像に歯止めを掛けない』

想像と現実は別

…と、初めの言葉は完全にひっくり返されました。

今から思えば、それはこの会社に我々を誘う甘い””罠””、まさに””地獄への階段””だったのではと思えます。